2007年02月25日

蝶・唐突ですが小説です。

この間、録画してずっと放置で貯め込んでた武装錬金を見ました。
関智一さんの声が某アナゴさんっぽくなってて吃驚しました。
パピヨンも相変わらずキモかったです。秋水くん何でおんねん。

何気に現在テスト期間突入してます。
とりあえず人生史上初の実技テストだけは大丈夫なようです。

今日は唐突ですが小説投下です。
内容はわりと短いと思います。
題名が物騒ですが中身はちょっとほのぼのです。


「過去に降り立った猛獣」

「おぉぉい、ミィィズゥゥミィィ……?」
遠い昔のある日、リビングに猛獣が降臨した。

「マッ、マーズさん、何してるのそんなケモノモードで」
テンガロンハットに黒のキャミソールにジーンズ、そんな姿の少女が猛獣を見て妙に怯えている。
彼女はミズミ・キャイオリー、当時12歳。今、急に、猛獣に胸ぐらを掴まれたところだ。
「お前だろぉ…お前なんだろぉ…?」
一応、この猛獣は立派な人間、しかも女性である。
燃えるようなベリーショートの赤い髪に同色の瞳とピアス、口紅の色まで赤だ。
一応自宅の一階で診療所を開いている身なので白衣を着ている。その下は菫色のキャミソールにワインレッドのミニスカートだ。
名前はマーズ・クォース。一つ足せば三十路になるという歳だが、そんな事を口走った愚か者の末路は……言ってはいけない。
「お前が食ったんだろう、えぇっ!? 吐き出せ、吐き出せぇー!!」
マーズという名の猛獣はミズミの胸ぐらを掴んだまま左右に思いっきり振り回している。
ゾンビにも似た恐ろしい迫力のお陰で、せっかくの美人が台無しだ。
「マーズさん、どうしたんだい?」
血が繋がっていないとはいえ、姉妹のように共に育った家族が振り回されている姿を見ても、暢気にお茶を啜る少女が一人。
緑色のニット帽を被り、青緑のタートルネックを着た彼女、ムーン・アナリシスも、ミズミと同じ12歳になる。
猛獣は声をかけたムーンの方をグワッと目にも留まらぬ速さで向き、叫ぶように吼えた。
「こいつが私のゼリーを食いやがったんだ!!」
「ゼリー? あぁ、そういえば赤いのが確か冷蔵庫にあったような」
猛獣の雄叫びにも全く動じず、ムーンは冷蔵庫の中を確認する。
「あ、無い」
「そう! 休憩時間に、三時のおやつに食べようと、思っていた、あのゼリーが! 無くなってんだよ! ミズミ、お前かぁぁ!!」
そう怒鳴りながら、猛獣はミズミを前後に揺さぶる。
「違う違う私じゃない私じゃない」とミズミは目の前で星が舞っていようと懸命に否定した。
「だってお月はゼリーよりむしろ棚の中の饅頭を食べるから! アーシェルはあっちでピタージャがカウンセリングやってるから! お前しかいねぇんだよぉぉ!!」
猛獣はミズミを揺さぶったまま、再び雄叫びを上げた。
棚の中からガラス越しに皿の上に乗った山盛りの饅頭が見える。
「言いがかりだぁぁ!!」
だがミズミも負けてはいない。
「私は今まさにお月ちゃんと棚のそのお饅頭で三時のおやつタイムでのんびりくつろごうと思ってたんだ! そもそもゼリーなんて私がさっき冷蔵庫見た時にはもう無かったし!」
「うん、今も無いし。朝に見た時は確かあったかなぁ?」
それを聞いて、猛獣の形相がいつものマーズに戻っていく。
「……嘘じゃないよな?」
マーズが完全に素の状態で二人に尋ねる。
「どうして嘘をつかなければならないんだい? 私が食べたわけでもないのに」
そう言ってムーンは棚へと向かい、山盛りの饅頭を取り出した。
そのうちの一つをマーズに見せびらかすように口に入れる。
「あー、お月ちゃん、ずるい!」
掴まれていた手を無理矢理ほどいて、ミズミも饅頭を皿ごと奪う。
「じゃあ誰だよ、私のゼリー食べたの…」
マーズが一気に落ち込んだ。

「とりあえず、最後にゼリーを見たのはいつ?」
「昼飯食った後。その時に冷蔵庫開けたらゼリーがあったから、あぁ美味そうだから三時頃にでも食べよーって思った」
ムーンの質問にも、マーズはどこか覇気の無い声で答える。
「ミズミは?」
「ゼリーがあったかは覚えてないけど、冷蔵庫を開けたのは朝ごはんの前。朝ごはん食べてからはずっとアーシェルの部屋にいたから、冷蔵庫漁れるはずはないよ?」
「お昼ごはんもそこで一緒に食べたしね」
ムーンは、自分の弟が楽しそうにご飯を食べる姿を思い出した。
ここに引き取られて三年、弟の笑顔を見る事が増えてきた気がする。
「ピターがわざわざ持ってきてくれたんだから、感謝しとけよー?」
そうマーズが言うと、ムーンとミズミは「はーい」と返事をする。
と、そこで、マーズがはたりと何か思いついて考え込んだ。
「そうなると、ピターが怪しくなるよな…」
ピターというのは、マーズのこの診療所に勤めるもう一人の医者だ。
本名はピタージャ・グリウセルといい、昨年赴任してきたばかりだが、ムーン達とはそれ以前からの知り合いでとても仲が良い。
「ピターさんが、ゼリー食べたのかな…?」
ムーンが首を傾げると、かたんとドアの開く音がした。
ドアの方を向くと、水色のパーカーを着た少年が立っていた。
首にかけた白い紐からスケッチブックがぶら下がっている。
黒い髪と瞳、顔立ちもどこかムーンと似ている感じがする。
「お、アーシェル、終わったの?」
マーズが声をかけると、ムーンの実弟、アーシェル・アナリシスは頷いた。
「……ん、何か食べたの?」
ムーンに訊かれて、アーシェルはまた頷く。
確かにアーシェルはお皿とスプーンを両手で持っていた。
ぱたぱらと走って、キッチンのシンクに食器を置くと、戻ってスケッチブックを開いた。
そのまま鉛筆でさらさらと文字を書いていく。

『ピターさんにゼリーもらった。アセロラあじだった』

「えええ!?」
三人が揃って叫ぶと、アーシェルがビクリと驚いて後ずさる。
「結局アーシェルだったのか、ゼリー食べたの……」
ミズミは脱力したようで、床に手と膝をついていた。
「持ち出したのはピターさんみたいだけどね」
いつのまにかムーンはミズミから饅頭を奪い返していて、もぐもぐと食べていた。
にこにこと微笑みながらアーシェルがさらに文章を書いていく。
『カウンセリングのごほうびでもらった』
『おいしかったよ』
「……そっか」
それを見たマーズが、少しだけ微笑んだ。
「しゃあねぇなぁ、そういう事なら怒れないなぁ」
マーズはアーシェルを抱き寄せて、そっと頭を撫でた。
「怒れないなぁって、そもそもあれはマーズさんのじゃないですよー」
その時、マーズの背後から可愛らしい声がした。
腰まである緑色の髪、眼鏡の向こうには藍色の瞳の人物。
白衣の前を閉めて深緑のベルトをつけている、彼女がピターことピタージャ・グリウセルだ。
「というかあれは私が買ってきたんですー! あげた覚えもありませんよ!」
「いでででで!」
ぷくーと頬を膨らませて、ピタージャはマーズの耳を引っ張った。
「え、ピターさんのだったの、あれ!?」
ミズミは驚いた。
「そうですよー、私が一昨日に休暇貰って出かけた時に買ってきたサクラとリンゴのゼリーですよ! いつのまにマーズさんのになってるんですか!?」
ピタージャは怒っているようだ。
耳をひっぱっていた手を離したと思えば、ビシバシとマーズの腕をはたく。
状況が分からず、アーシェルがおろおろしている。
とん、とピタージャの肩に手が置かれた。
「あー、まぁ、今回はとりあえず食べられなかったんだし、無かった事にしようよ」
「マーズさんっ! ちょっ、待ってくださいよー!!」
マーズがそそくさと退散していく。それをピタージャが追いかけていった。

リビングに残ったのはムーン、ミズミ、アーシェルの三人だけである。
「結局、騒ぐだけ騒いで逃げちゃったよ、マーズさん」
ミズミが呆気に取られた顔をして呟いた。
「……とりあえずアーシェル、饅頭食べる?」
唯一普通に饅頭を食べているのはムーンで、何気にアーシェルにも勧めていた。
アーシェルの方もこっくりと頷いて饅頭を手に取る。
「お月ちゃん、私の分も食べないでね」
「食べないよ、ちょっとお茶淹れてくるし」
そう言って、ムーンは席を立った。

平穏が戻った、遠い昔のある日の三時。
猛獣がやってくる事は、それからも度々あったと言う。






マフラーを探している時に急にネタの女神が降臨しました。
結局マフラーは見つからなかったので、自棄になってスタバでザッハトルテ食いながらうっとりしつつルーズリーフに書いたものです。
それよりもっと後の、レンジで暖めたブルーベリースコーン+ホイップ(+50円)だったような気がしなくもないですが。
どちらも負けず劣らずの美味っぷりですのでお試しあれ。スタバいいよねスタバ。
ちなみに内容とは全く関係がありません。

お気づきの方は一人もいないと思いますが、二年前の誕生日に載せた小説の、主人公の過去編となっています。
いきなり過去編かというツッコミもお待ちしております。
でも思いついちゃったものは仕方な(略
あれの次の話は前編と3分の1しかできてないし。
でもこれ載せた後にちょっと頑張ってきます。

一応ムーン、ミズミ、マーズが過去の小説から引っ張ってきたキャラです。
と言ってもマーズさんは既にうろ覚えの域入ってたのと、ストーリー上の都合でかなり前と変わってます。三人の義母で漢らしいのは一緒だけど。
で、ピタージャさんが新キャラです。もっと設定があるんだけど入らなかった(ぇ
……まぁいいや。ちょっと別のもの頑張ってくるー。


posted by 早月 at 01:23| 兵庫 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説と詩を作ってみた | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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