2005年08月14日

おぉー、やっと小説載せられたよ:前編

誕生日記念という事で、夏休み中に頑張って書いてた小説を載せてみる。


「十字路の森」

―(前編)「発見」

それは、ある旅人が書いた旅行記に残されていたお話。

これがきっかけで、運命は変わる。
まさかこんな事になろうとは思いもよらなかった。

彼女も人は捜せるものの、運命は探れない。
…それを思い知った日。

薄暗く、見かける樹には必ずと言っていいほど何らかの傷が見える。気味が悪く、誰もが怖さを感じる『クロスロードの森』。
そこは魔物が多く『魔物使い』のライセンスが無い者は入れないという決まりがある。
その中を歩く、彼女もまた人ならざる者を連れていた。
ムーン=アナリシス、青緑のニット帽を被り、白いコートを着ている。肩まである黒髪では隠せない程の大きな月のイヤリングが特徴の女性だ。
連れているのは白い翼の生えた二匹の猫。一匹は体毛も白いが、瞳は黒い。もう一匹は体が黒く、瞳の色は空色。
「シャイン、ブライト、ここはさっさと抜けたほうがいいね」
高くもなく低くもない、中性的な声が彼女の口から発せられる。
「同感ですよ、ご主人」
「嫌な感じがする」
二匹の猫が相槌を打った。白い猫…シャインは地を歩き、黒い猫…ブライトは空を飛ぶが、ムーンの側を離れない。
人ではなく、人間の身長を下回り、人間に危害を与えない性格である魔物は『小魔物』、それを飼う者を『魔物使い』と言う。
魔物使いは資格が無くては小魔物を飼えない。資格を持たずに飼っている者は、罰せられるという掟もある。
しかし年に数人しか資格を持てない、持つには難しいその資格を、彼女は持っている。
だから、小魔物のシャインとブライトも連れて歩ける。
「大体、こんな場所、私だって本当は行きたくないんだ。でもあいつが、あいつが…!!」

『サクララピスの街で、ある人から貰ってきてほしい物がある。なるべく早くしてほしいから、クロスロードの森を抜けてくれ』
ムーンの知り合いから言われた言葉が頭に響く。
サクララピスの街は、このクロスロードの森を北に抜けた先にある。
森を通らず、回り道をすれば普通の人間もその街に辿り着ける事ができるのだが、如何せん森が大きく、時間がかかる。
事は急を要するらしいので、森を通る事が認められた、魔物使いであるムーンに白羽の矢が立ったらしいのだ。
「あんなに切実に頼まれたら、ご主人だってノーとは言えないですよねぇ」
苦笑いを浮かべて、シャインがムーンに言った。
「いくら近道だからって、気味が悪くて嫌なんだよ、ここは…」
と、ムーンが溜息をつく。
それを見ながら「何だかんだ言いながら、結局行ってあげてるくせに」と、ブライトが心の中で呟いた。

頭上を見上げると、空がよく見えない。この森は高い樹の枝が茂り、光を遮っている。
「シャイン、今どの辺りの位置にいるか、ちょっと見てきてくれないか?」
「はい、ご主人」
二つ返事で飛び上がったシャインの姿も、枝がすぐに隠した。
…その背後に、何かがいるとも知らずに。

「あー、結構東の方角に逸れちゃってますね。コンパス持たないで森に入っちゃうからですよ…」
それを持たずに森に入るのは自殺行為である。彼女の主人はそれを知っているはずだが、面倒臭がって持たないのだ。
実はコンパスを持たない理由はもう一つあるのだが、それはここでは割愛させていただく。
シャインは溜息をつき、森の中へ戻る。
「ご主人?」
しかし、そこに彼女の主人の姿は無かった。
ひっそりとした、不気味な森が広がるだけで…。
「あれ?」
それでも彼女は、何かを見つけ出す。
木の葉の緑や土の茶色には無い、橙色の何か。
「ひ…と?」
橙色の何かは、ボサボサの髪だった。短い淡黄色のマントを着ており、白いズボンを履いており、腰には朱色のポーチがついている。
瞳の色は閉じられて見えない。が、外見はれっきとした人間だった。まだ若いが、自分らの主人と同じ様な年齢に見える。
顔は中性的で判断がつかない。女性にも男性にも見えるが、体型的には多分男性。そして青年。身長もムーンより高い。
…死んでいる?違う。静かな森に呼吸の音が響く。彼は眠っている。
しかしこんな無防備な青年の周りに、彼を警護する魔物がいないのはどういう事か。
彼はこの森にいながら小魔物を連れていないのだ。彼は魔物使いではない?…だったらどうしてこの森に?
「あの、すいません、起きてください」
考えても彼の居る理由は分からない。彼女には推測できない。そこで彼を起こす事にした。

「んあ…」
青年は目覚めた。髪と同じ、橙色の瞳は白い猫を捉えた。
魔物が自分を起こしている。可笑しな体験をしているものだ。
いや、どう見たってこの魔物は、人に対して恐怖心や警戒心や、その他の負の感情を持ち合わせていない。
人に慣れている魔物は、人に飼われている魔物。そして自分より身長が低い。すなわちこの猫は、小魔物。
「どうも、こんにちは」
「あぁ、どうもお早うございます。危ないですよこんな場所に居たら」
挨拶をすると挨拶が、敬語で返って来た。しかも注意までしている。
「…小魔物?」
心の中で確信を抱きながらも、念のためと青年は白い猫に質問をした。
「はい。貴方はどうしてこんな場所で寝てらっしゃるんですか?」
猫は頷き、質問を返してくる。
どうしてここにいるのか。…少し考えて、考えてじっくり、頭の中で検索をかけて、答えを探して。
「分からない。ていうか、そもそもここは何処?」
ひどく可笑しな回答だと理解はしている。
それでも、分からないものは分からない。ここが何処だかも分からない。
記憶喪失の人間によくある質問だと思い、彼はもう一つ、よくある質問を頭の中でもう一度検索をかけた。今度はきっと分かる?
「……」
…思い出せなかった。分からなかった。自分が自分であるための大事なキーワード。象徴。
白い猫はきょとんとした顔で青年を見つめた。さっきから、彼は頭を抱え、何かを悩んでいる。
「…あの?」
「白猫さん!!」
あなたはさっきから何を悩んでいるんですか、と白い猫は青年に質問を投げかけようとした。
しかしいきなりそう呼ばれて、次の瞬間、彼女は意味不明な質問を逆に投げかけられる。
「俺、知らない? 俺を!!」
「……? 知ってるも何も、私、貴方と初対面ですから」
白い猫…シャインは自分を疑い、脳内で検索をかける。しかし何処をどう探しても、こんな人の記憶は無い。
当たり前だ、シャインとこの青年は正真正銘の初対面だ。寝ているところに声をかけただけのただの通行人のような関係だ。

「ひょっとして」
「…ひょっとしなくても」

青年はまさかこんな災難が自分に降りかかるなんて思いもよらなかった。
シャインはまさかこんな人間に会ってしまうなんて思いもよらなかった。
漢字四文字、つまり四字熟語、その絶望的な言葉が同時に頭を過ぎり、しがみ付き、離れずにいた。

…記憶喪失。

「えええええぇぇっ!?」
「どうしよう、本当に名前とか思い出せないんだよ、ここは何処、俺は誰、茫然自失、大騒動の大混乱のえーと以下省略!」
「省略しても仕方ないじゃないですか、えぇと、えぇと、とりあえず身元が分かる物は何か無いですか!?」
大騒動の大混乱の以下省略は彼だけでなく一匹の猫にも当てはまった。しかしどちらも茫然自失とはしていない。
青年はマントを脱ぐ。そのマントの内側には、一面にじゃらりと何かがついていた。
「これ…ナイフですね」
流石に刃の部分には鞘がついているものの、その数は異常に多い。
「こんなにあるとサバイバルに便利だね」
「貴方って危ない人ですね」
そしてポケットを探り、あれやこれやと騒いで、やっと暗闇の中の一筋の光のような物に巡り合えた。
彼のポーチから手紙のような紙切れが出てきたのだ。早速読み上げる。
「『この子の名前はアスセラ=ハルタです。今年で十八歳になります。大事にしてあげてください』」
「『多少大きな音には怯えてしまいますが、そのまま放置していれば自然と立ち直ります』」
「『あと、アスセラへ。この森の魔物は貴方の能力で何とか倒せます。頑張って、生きろ。by 元アスセラの飼い主』」
「アスセラって言うんだ、俺の名前…」
青年アスセラは、手紙をじっくり読みながら、そこに自分の名前が書いてあった事に安堵する。
「名前が分かっただけでも良かったです。十八歳なら、うちのご主人より一個下ですねぇ」
同じく手紙を覗き込みながら、シャインも言った。
「え、てことは、君のご主人十九歳なの? 若いんだねぇ…」
まぁ、こんな可愛い小魔物飼ってるんだから納得はいくけど…としみじみとアスセラも言う。
「えぇ、今年で十九歳で、私は結構美人に見えると思うんですけど本人が…」
そうシャインが得意げに喋っていると、一人と一匹の頭上に突如影が出来た。
「それを…」
「……」
一人と一匹、どちらも見上げて呆然自失。
そこにはとっても大きな魔物が、こちらを睨みつけていたのだから。

「…なぁブライト。今、何か二重奏の叫び声のようなものが聞こえなかったかい?」
所変わり、こちらはムーンとブライト。とぼとぼと森の中を歩いている途中だ。
その後ろには、ぐったりと倒れて動かない魔物が居る。
「二重に重なってる事が分かるまで聴こえたなら、確かに誰かが叫んだんじゃないですか?」
ただブライトはぱたぱたと翼を動かし、飛んでいるのだが。
「多分シャインの叫び声だと思うんだけどねぇ…」
背後の魔物を見ながら、ムーンが大きな溜息をつく。
実はシャインがムーン達を見つけられなかったのは、この魔物のせいなのだ。
彼女が空へ飛び立った後、いきなりこの魔物が襲い掛かってきて、ムーンとブライトは逃げざるをえなかったのである。
…その後無事にこの魔物を倒し、今に至るのだが。
「え、シャインの叫び声だったら、尚更慌ててくださいよ、ご主人! …何でそんな暢気なんですか」
「何を言ってるんだブライト。これでも焦ってるよ?」
慌てるブライト。だが、正反対にムーンの顔はのほほんとしている。
それでも焦ってるというのだからそれは嘘だ。「そうは見えませんから」とブライトは返す。
「とにかく、叫び声はどこから聞こえたんですか、行ってみましょう!」
「この森は危険だからね」
ムーンは駆け出し、ブライトは飛んでいった。
…叫び声の聴こえた、その方角へ。

一方、「キャーッ!!」と、二重奏の叫び声を上げながら逃げるアスセラとシャイン。
「こんなに可愛くても小魔物なんだろう、何かできないのか、君は!?」
「できませんよ、私は『治癒能力』しかありませんから!」
片やゼエゼエと大地を駆けて逃げるのに対し、空を飛ぶもう片方は息も荒げる事無く翼を動かし、逃げる。
「畜生、俺も翼があればいいのに!」
今だけは人間である事に文句を言っても、そう生まれてきた事は変えられない。
アスセラは駆けていくが、その時、彼はシャインの視界から姿を消す。
「…アスセラさ…っ!」
しかし、彼は本当に透明人間になったわけではない。
勢いよく倒れて、シャインの視界から一時的に消えただけ。
シャインがすぐ下を見ると、彼は木の根に足を取られ、こけて大地に伏せていた。
彼が起き上がろうとするその隙を、魔物は見逃さない。
鋭い爪で彼らを切りつけようと、大きな腕を振り上げる。
避けられないアスセラと、何も出来ないシャインは、目を瞑り痛みに耐えようとした。

…が。
「シャイン!」と誰かが彼女を呼ぶ声と、魔物が雄叫びを上げる声は、同時だった。
アスセラとシャインは目を開ける。
その視界には、両腕で腹部を押さえて地面にのた打ち回る魔物の姿があった。
「どうなってるんだ?」
首をかしげるアスセラだが、横にいるシャインを見て、その疑問は新たなる疑問に吹っ飛ばされる。
…翼の生えた、空色の瞳の黒い猫と、仲良さげに話しているのだ。
「無事だったんだね、シャイン!」
「えぇ、大丈夫です。間一髪でしたから…」
お互い、ほっとした表情で、互いの無事を確かめ合う二匹。
「…何なんだこの黒いのは」
見るからに、シャインと同じような種類の小魔物。ただ、体と瞳の色が違うだけ。
「あ、アスセラさん。この子は私の相棒のブライトです」
「…誰、この人」
シャインが紹介をする。黒い猫…ブライトは、じろじろとこちらを見てくる。

「大丈夫かい、シャイン!」
その時、第三者の声も混ざった。可愛いと言うより綺麗と言う言葉が似合う、低音の女性の声。
「あ! それから、この人が私のご主人…ムーンさんです」
にっこりと微笑み、シャインはその白いコートにニット帽の主、ムーンをアスセラに紹介した…時。
きゅぅん!!…と、何かが体を走るような、何かに撃ち抜かれたような、その場には有り得ない音がした。
「…何の音だ?」
生憎、ムーンからはその音は発していない。
その音に驚いているシャインからも、一瞬、悪い予感が頭に過ぎったブライトからも。ならば…。
…何やらムーンを見てぼうっとしているこのアスセラから。
「綺麗なお姉様…」

ブライトは「その時、悪い予感が的中したと悟りましたね」と後にとある酒場で話していたらしい。
シャインは「それはもう、吃驚したんですよ…?」と後に疲れ果てた顔で友人に話していたらしい。
突然、ムーンの手を握り、変な男がこんな事を言い出した、と。
「お姉様、俺と一緒に記憶の欠片を探す旅に出てくれませんか!?」
その場が静まり返る。
魔物の呻き声も、森のざわめきも、彼らの呼吸音も、全ての音が消え去ったような感覚がした。
ただ「何なんだこいつは?」と、この場に居た誰もがそう思った。
「…いや、そもそも君は誰なんだい?」
それを逸早く言葉にしたのがムーン。その瞬間、全ての音が耳に戻ってきた。
「ご主人。その人、記憶喪失なんだそうです」
シャインが、説明をしに動いた。

「つまり君は記憶喪失で、気がついたらこの森にいたと?」
「そうなんだよ。本当に何も覚えてないんだ、この手紙だけが手がかりで」
「それには名前と年齢と弱点と能力がある事について書かれていたんです」
「弱点はともかくとして…貴方には能力があるんですか?」
ムーンとアスセラ、そしてシャインとブライトが、それぞれ座り込んで会話をする。
「…らしいけど、分からない。もっと詳しく書いてくれればいいのに、この飼い主さんは」
「飼い主って…あなた、飼われてたんですか?」
手紙を読みながらブライトが質問を投げかける。
しかし、それにはムーンが答えた。
「いや、ただ向こうが飼っていると言い張ってるだけって説もあるんじゃないか? そういう関係の人間に心当たりがあるし」
そうして思い出すのはとある二人。二匹の猫が、少し悩んで納得した。
「本当に飼われてるって事もあるかもしれないですけど、だったらあなたは『小魔物』という事になりますからね」
「俺は立派な人間だぞ! それだけは間違いない!!」
ブライトに怒り出すアスセラ。どうやら、本当に人間のようだ。
だが、そうして語り合っている間に、彼らはすっかり蚊帳の外にしてしまったある物が暴れだしたのに気付いていなかった。
「ウガアァァ―――!!」
先程まで腹痛に苦しんでいた魔物は、その鋭い爪で斬りかかる。
「…あれ、あの変な腹痛は治ったのかな?」
「まだ痛そうな顔をしてますけどね」
「おそらく食中りだと思うんですよねぇ」
ムーン、ブライト、シャインは攻撃を軽々と避け、それぞれ呟く。
「わぁ、流石は俺の見込んだ女性、華麗に避けるそのお姿も素敵だ!」
アスセラも無事に避けたらしく、ムーンに向かってそんな口も利く。
「…アスセラさん、少し黙っててくれませんか」
煩いし、ウザイです、とブライトは呟いた。
「それから、アスセラとシャインは少し下がっててもらえないかな?」
ムーンがそう言えば、アスセラも魔物とムーンから少し距離を置いた。
「本当にウザイ事この上ないのは、こっちの魔物さんのほうだよ、ブライト。あれをもう一度やってもらっていいかな?」
にっこりと微笑み、今度はムーンはブライトに向かって言った。
「いいですよ」とそれをあっさり承諾し、ブライトは目を瞑る。
「…何かするの?」
「ブライトが能力を発動したんです」
アスセラが、自分の横にいたシャインに話しかけると、シャインはそう答えた。
「私の治癒能力とご主人の能力では敵を退ける事ができないから、これが私達の唯一の魔物の退治方法なんです」
…ご主人の能力、というところでアスセラは何かひっかかる物を覚えたが、とりあえずブライトの能力を見る事にした。

小魔物には、様々な『能力』を持っている者がいる。人を助ける能力を持つ者もいれば、魔物と対等に戦える能力を持つ者まで。
ただ、魔物と対等に戦える能力を持っていても、大きさの差が彼らにはある。
小魔物というものは、人間より身長の低い者だという規定があるのだ。だから、そうでない魔物は、人間より身長が高い。
「ご主人。彼には、先程かけた不幸がまたやって来るそうです」
しかし、ブライトはまるで魔物を見下ろすかのような瞳で魔物を見つめ、そう言う。
「どうせ襲ってこないので、先を急ぎましょう」
魔物から視線を外し、ブライトはふわりとその場から飛んでいく。
「あぁ、あれは辛いよね、多分」
「へ?」
にっこりと微笑み、ムーンもブライトの後へとついていく。
どうなっているのか、アスセラには見当もつかない。
「グガアァッ!!」
その内に、魔物は再び腹を押さえて倒れこんだ。苦しそうである。
「えぇっ!?」
アスセラは驚く。一体、ブライトは何をしたと言うのだろうか。
「シャイン、どうなってんの!?」
彼はシャインに説明を求めた。
「『不幸の召致』…ブライトは、相手に不幸を呼び寄せる事が出来るんです。例えば、急に食中りを起こすとか」
「ひょっとして、これが?」
『急に食中りを起こす』と聞いて、アスセラにはすぐにこの魔物の事を指しているんだと分かった。
案の定、シャインは頷く。
「詳しくはブライトに訊いてみないと分かりませんけどね」
「訊くまでも無いですよ、食中りです」
ブライトはその会話を聞いていたようで、きっぱりと横から答えてきた。
「さっき、シャインと貴方が襲われかけた時も、僕はこれを使って助けたんですよ?」
アスセラとシャインは、アスセラが転んだ後に魔物が突然腹を押さえて地面にのた打ち回った、あの時を思い出した。
「とりあえず、またそいつが食中りから復活するかもしれないし、さっさとこの森を抜けないかい?」
ムーンがニッコリと微笑み、魔物を指差してそう言うと、一人と二匹は蹲る魔物を見ながら「賛成」と答えた。

道中、いくつかの魔物に出会ったが、ムーンはそれを「不幸の召致」で乗り切った。
その能力は食中りだけではなく、木の枝が相手の目に当たったり、躓いて転んだり、木に爪が刺さって取れなくなったり…と、様々な「不幸」を相手に与えてきた。
「あの能力って、結構面白いよなぁ」
マントについていたナイフの中の一本で応戦しながら、アスセラは呟いた。


前編で一度終わらせてみる。


posted by 早月 at 01:07| 兵庫 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説と詩を作ってみた | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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