通り雨だろうか。
放課後、私はアスファルトを見つめていた。
所々にできている水溜りには、いくつもの波紋が広がっていた。
季節はずれの、色の無い花火のようだった。
水は雫を飲み込んで、目には見えない程度の早さで大きくなっていく。
そんな比喩表現を悶々と考えた後で、私の思考は突然切り替わった。
春の雨はしとしとと降る。
なら、この雨にしとしとという擬音は似合うだろうか?
とりあえず、似合わなければこれは春雨じゃなくて通り雨だ。早めに止むだろう。
ただ、どちらにしろ今の私には関係ない。
とりあえず、通り雨だろうが何だろうがさっさと行くまでだ。
今日、二度置き忘れそうになった傘を差し、私は学校を出た。
私はこれからルーズリーフを買いに行こうと思っていた。
その後、ミスドに寄って新発売のドーナツを買って帰る予定だった。
「昼には雨は止んで暖かくなる」と言った天気予報士を今日だけ恨む事にしよう。
これが通り雨じゃなかったら、ルーズリーフを買った後は真っ直ぐ家に帰ろう。
そう思って近くにあったコープに寄った。
コープは案外文房具が置いてあると思う。ルーズリーフを見つけるのは簡単だった。
だが、私は買わない事にした。いつも使っている物とは違っていたからだ。
もう一行多いやつがいいんだよねぇ、と思いながらレジのそばを通り過ぎ、店を出る。
雨の様子は微妙だった。降っているのか、いないのか…。
空を見上げると、いつもと違う景色が見えた。
鉛色の曇り空の中にうっすらと派手な色の橋が架かっていた。
…虹を見たのは久しぶりだ。興奮のあまり「おぉ」と声がつい出てしまった。
私はおもむろに携帯電話を取り出し、いくらか設定をいじる。
カシャリとシャッター音を鳴った。撮影は普通に出来た。
私の後に店から何人か客が出てきたが、空を見ずに去っていった。
勿体無い、と心の中だけで溜息をついたが、気にしない事にする。
肝心の雨はぱらぱらと降っている程度だった。この分だと、もうすぐ止みそうだ。
眼鏡に雨粒がつくのが嫌なので、私は小雨でも傘を差した。
ただ、ミスドには行けそうだ。
ドーナツでも食べた後に5個ぐらい買って帰るか。
通り雨、だった。
今日の出来事を小説風にしてみました。
ミスドでドーナツ食いながらこれを即興でさっと書いた後、帰ろうとしたらまた雨が降っていました。
降ったり止んだりの天気って何か嫌だ。
降るなら降る、降らないなら降らないってきちっと決めてくれ!
0時までに載せるぞって思ってたんだけどちょっと時間が足りなかった。
ちょっとしょぼーんとしてくる。
私はフレンチクルーラーとポン・デ・リングが大好きです。